This is an archive of past FreeBSD releases; it's part of the FreeBSD Documentation Archive.

ディスクの追加

10.5. ディスクの追加

オリジナルは David O'Brien によって 1998 年 4 月 26 日に寄贈されました.

現在一つしかドライブがない計算機に新しく SCSI ディスクを追加したいとしましょう. まずコンピュータの電源を切り, コンピュータやコントローラ, ドライブの製造元の指示に従ってドライブを取り付けます. このあたりの手順は非常にバラエティに富んでいるため, 細かいことはこのドキュメントの範囲外です.

root ユーザでログインします. ドライブの取り付け後は /var/run/dmesg.boot を調べて新しいディスクが見つかっていることを確認しておきます. この例では, 新しく付けたドライブは da1 で, 我々はそれを /1 にマウントしたいとしましょう (もし IDE ドライブを付けようとしているのなら, 4.0 以前のシステムでは wd1, ほとんどの 4.x システムでは ad1 になるでしょう).

FreeBSD は IBM-PC 互換のコンピュータで動くため, PC BIOS のパーティションを考慮に入れる必要があります. これは従来の BSD パーティションとは異なります. PC ディスクは 4 つまでの BIOS パーティションエントリを持つことができます. もしそのディスクを本当に FreeBSD 専用にしたい場合には専用モードで用いることもできます. そうでない場合には, FreeBSD は PC BIOS パーティションのどれか一つの中に入れることになります. FreeBSD では, 従来の BSD パーティションと混乱しないように PC BIOS パーティションのことをスライスと呼びます. また, 別の OS がインストールされていたコンピュータで使われていたが FreeBSD 専用にするディスク上でもスライスを用いることができます. これは, 他の OS の fdisk ユーティリティを混乱させないためです.

スライスの場合, ドライブは /dev/da1s1e として加えられるでしょう. これは, SCSI ディスクでユニット番号は 1 (二つめの SCSI ディスク), スライスは 1 (PC BIOS のパーティションが 1) で BSD パーティション e, と読みます. 専用ディスクの場合だと単純に /dev/da1e として加えられるでしょう.

10.5.1. sysinstall を利用

/stand/sysinstall の使い易いメニューを利用して新しいディスクのパーティション分けやラベル付けを行なうことができます. root ユーザでログインするか su コマンドを用いるかして root 権限を取得します. /stand/sysinstall を実行し, Configure メニューに入ります. FreeBSD Configuration Menu の中でスクロールダウンして Partition の項目を選びます. するとシステムに付けられているハードディスクのリストが表示されるはずです. もし da1 がリストされていない場合には物理的な取り付け及び, /var/run/dmesg.boot ファイルへの dmesg 出力をチェックし直してください.

da1 を選んで FDISK Partition Editor に入ります. ディスク全体を FreeBSD で使うために A を選びます. "remain cooperative with any future possible operating systems" と聞かれたら YES と答えます. W で変更をディスクに書き込みます. ここで q と入力して FDISK エディタを抜けます. マスターブートレコードについて聞かれますが, ここでは既に動いているシステムにディスクを追加しようとしているのですから None を選びます.

次に Disk Label Editor に入ります. ここでは従来の BSD パーティションを作成します. 一つのディスクは a から h までのラベルがついた最大 8 つのパーティションを持つことができます. いくつかのパーティションラベルは特殊な用途に用いられます. a パーティションはルートパーティション (/) です. 従って, システムディスク (つまり起動ディスク) のみが a を持ちます. b パーティションはスワップパーティションに用いられ, 複数のディスクにスワップパーティションを作ることができます. c は専用モードにおけるディスク全体, もしくはスライスモードにおけるスライス全体を指します. 他のパーティションは汎用的に用いられます.

sysinstall の Label Editor は非ルートで非スワップなパーティションには e を好んで付けます. ラベルエディタでは C を用いて一つのファイルシステムを作成します. FS (ファイルシステム) かスワップかを聞かれたら FS を選びマウントポイント (例えば /mnt) を入力します. インストール後のモードでディスクを追加する場合, sysinstall は /etc/fstab にエントリを追加しないため, ここで指定するマウントポイントはそれほど重要ではありません.

さて, ディスクに新しいラベルを書き込み, そこにファイルシステムを作る準備が整いました. 早速 W を叩いて実行しましょう. sysinstall からの, 新しいパーティションをマウントできない, というエラーは無視してください. Label Editor から抜け, sysinstall を終了します.

最後に /etc/fstab を編集し, 新しいディスクを追加します.

10.5.2. コマンドラインユーティリティの利用

10.5.2.1. スライスの利用

このセットアップ方法では, すでにコンピュータに他のオペレーティングシステムがインストールされていても 正しく協調動作することが可能で, 他のオペレーティングシステムの fdisk ユーティリティを混乱させることもありません. 新しいディスクにインストールする場合は, この方法を用いることが推奨されています. 後述する専用モードは, そうしなければならない理由がある時にのみ, 利用するようにしてください.

    # dd if=/dev/zero of=/dev/rda1 bs=1k count=1
    # fdisk -BI da1 # 新しいディスクの初期化
    # disklabel -B -w -r da1s1 auto # ディスクにラベルを付ける
    # disklabel -e da1s1 # 作成したディスクラベルを編集し, パーティションを追加する
    # mkdir -p /1
    # newfs /dev/da1s1e # 作成したすべてのパーティションに対してこれを繰り返す
    # mount -t ufs /dev/da1s1e /1 # パーティションをマウントする
    # vi /etc/fstab # マウントに成功したら, /etc/fstab に適切なエントリを追加する

IDE ディスクを使う場合は da の部分を ad とします. 4.x より前のシステムでは, (訳注: ad ではなく) wd としてください.

10.5.2.2. 専用モード

新しいドライブを他の OS と共有しない場合には専用モードを用いることもできます. このモードはマイクロソフトの OS を混乱させることを憶えておいてください (しかし, それらによって壊されることはありません). 一方, IBM の OS/2 はどんなパーティションでも見つけたら理解できなくても"専有"します.

    # dd if=/dev/zero of=/dev/rda1 bs=1k count=1
    # disklabel -Brw da1 auto
    # disklabel -e da1				# create the `e' partition
    # newfs -d0 /dev/rda1e
    # mkdir -p /1
    # vi /etc/fstab				# add an entry for /dev/da1e
    # mount /1

もう一つの方法は次の通り.

    # dd if=/dev/zero of=/dev/rda1 count=2
    # disklabel /dev/rda1 | disklabel -BrR da1 /dev/stdin
    # newfs /dev/rda1e
    # mkdir -p /1
    # vi /etc/fstab					# add an entry for /dev/da1e
    # mount /1