This is an archive of past FreeBSD releases; it's part of the FreeBSD Documentation Archive.

Mathematica のインストール

20.3. Mathematica のインストール

Mathematica 4.x 用に Murray Stokely がアップデートし、Bojan Bistrovic がマージしました。

この章では、Mathematica 4.X Linux 版の FreeBSD へのインストールについて説明します。

Linux 版の Mathematica は FreeBSD においても完璧に動きます。 ただ、実行する際に Linux ABI を用いる必要があることを FreeBSD に教えるために、Wolfram によって出荷されているバイナリにマーク付け (branded) をする必要があります。

Mathematica や Mathematica for Students の Linux 版は Wolfram (http://www.wolfram.com/) から直接注文することができます。

20.3.1. Linux バイナリへのマーク付け (branding)

Linux 用バイナリは Wolfram の Mathematica CD-ROM の Unix ディレクトリにあります。 インストーラーを起動する前にこのディレクトリをローカルディスクにコピーし、 brandelf(1) により Linux バイナリにマークを付けます。

# mount /cdrom
# cp -rp /cdrom/Unix/ /localdir/
# brandelf -t Linux /localdir/Files/SystemFiles/Kernel/Binaries/Linux/*
# brandelf -t Linux /localdir/Files/SystemFiles/FrontEnd/Binaries/Linux/*
# brandelf -t Linux /localdir/Files/SystemFiles/Installation/Binaries/Linux/*
# brandelf -t Linux /localdir/Files/SystemFiles/Graphics/Binaries/Linux/*
# brandelf -t Linux /localdir/Files/SystemFiles/Converters/Binaries/Linux/*
# brandelf -t Linux /localdir/Files/SystemFiles/LicenseManager/Binaries/Linux/mathlm
# cd /localdir/Installers/Linux/
# ./MathInstaller

また以下のようにすると、マーク付けされていない ELF バイナリすべての扱いを、デフォルトで Linux バイナリとすることが可能です。

# sysctl -w kern.fallback_elf_brand=3
      

これは FreeBSD システムに対して、 マーク付けされていない ELF バイナリが Linux ABI を利用するように設定します。こうすることで、 CDROM から直接インストーラを実行することが可能になります。

20.3.2. Mathematica パスワードの取得

Mathematica を起動する前に Wolfram から自分の ``マシン ID'' に対応したパスワードを取得しなければいけません。

一旦 Linux 互換ランタイムライブラリをインストールし、 Mathematica を展開すれば Install ディレクトリにある mathinfo プログラムを起動して ``マシン ID'' を得ることができます。 このマシン ID は、最初に見つかったイーサネットカードの MAC アドレスをベースに生成されます。

# cd /localdir/Files/SystemFiles/Installation/Binaries/Linux
# mathinfo
disco.example.com 7115-70839-20412

電子メールや電話、FAX などで Wolfram に登録する時にはこの ``マシン ID'' を渡します。 するといくつかの数字から構成されるパスワードが返されるので、 他の Mathematica プラットホームでするのと全く同じように最初に Mathematica を立ち上げる時にその情報を入力します。

20.3.3. ネットワーク経由での Mathematica フロントエンドの起動

Mathematica は標準フォントセットにない特別な記号 (積分記号、総和記号、 ギリシャ文字など) を表示するために特殊なフォントを使用します。 X プロトコルは、 これらのフォントがローカルマシンにインストールされていることを要求します。 これはつまり、ローカルマシンに (CD-ROM や Mathematica がインストールされているホストマシンから) そのフォントをコピーしなければならないということです。 これらのフォントは通常、CD-ROM の /cdrom/Unix/Files/SystemFiles/Fonts か、もしくはハードディスクの /usr/local/mathematica/SystemFiles/Fonts に置かれており、実際に使用されるフォントは Type1X のサブディレクトリに格納されています。 これらを利用するには次のような二つ方法があります。

一つは、フォントファイルをすべて /usr/X11R6/lib/X11/fonts/ 以下にある既存のフォントディレクトリにコピーする方法です。 この場合、fonts.dir にフォント名を追加し、 先頭行のフォント総数を変更することも必要になります。 あるいは、フォントをコピーしたディレクトリで mkfontdir を実行するだけでもかまいません。

もう一つの方法は、 /usr/X11R6/lib/X11/fonts/ にフォントディレクトリごとコピーする方法です。

# cd /usr/X11R6/lib/X11/fonts
# mkdir X
# mkdir MathType1
# cd /cdrom/Unix/Files/SystemFiles/Fonts
# cp X/* /usr/X11R6/lib/X11/fonts/X
# cp Type1/* /usr/X11R6/lib/X11/fonts/MathType1
# cd /usr/X11R6/lib/X11/fonts/X
# mkfontdir
# cd ../MathType1
# mkfontdir

そして、フォントパスに新しいフォントディレクトリを追加します。

# xset fp+ /usr/X11R6/lib/X11/fonts/X
# xset fp+ /usr/X11R6/lib/X11/fonts/MathType1
# xset fp rehash

XFree86 サーバを使用しているなら、 /etc/XF86Config に加えることでこれらのフォントを自動的に読み込むことができます。

/usr/X11R6/lib/X11/fonts/Type1 という ディレクトリが存在していない場合には、 上記例の MathType1Type1 とすることができます。